今回は、数字です。
しかし、この項目に関しては不完全な説明しかできません、と最初にお断りさせて頂きます。
長い言い訳をさせてください。
なぜなら、『数詞』という項目をまだ学習していないからです(2013年8月時点)。数詞や序数(1st、2ndといった表現)は教科書の最後に載っていて、最後に学習する項目になっています。先生も言われたのですが、アラビア語の数詞というのがこれまためんどくさいらしく、だから後回しになっているそうです。
だからといって、じゃあ授業の進行通りにブログの最後に扱うとなると、それは違うかなと。
どの言語の学習でも、数字(数詞)というのは早い段階で教わる事が多いし、もしかしたら近々アラビア語圏に行く人もいるかもしれないので、「数詞は最後に」なんて悠長なこと言ってる場合かっ!なんてツッコミが来ちゃうかもしれませんからね。
そんなわけで、数字の読み方についてはかなりざっくりした説明になります。ただ、表記(書き方)については既習なので、その点を重視して記事にします。
アラビア語の数字表記は独特で、下のようになります。

0123456789 → ٠١٢٣٤٥٦٧٨٩
黒字がアラビア語の数字表記です。1とか9は分かりやすいですけど、0なんてピリオドとほぼ一緒ですから(笑)
アラビアアルファベットもそうですが、これを覚えるには、自分でこじつけのようなものを作るのが一番です。歴史の年号の語呂合わせみたいな感じでしょうか。
私の場合、「٢(2)」は"2"を90°時計回し、「٣(3)」も"3"を90°時計回しの後"2"のように棒を加える。「٤(4)」は"4"を乱暴な筆記体で殴り書きのイメージ。「٦(6)」はルートの記号(√)を90°時計回し。「٧(7)」はラッキーセブンでVサイン!だからV字。「٨(8)」は末広がりの漢字の八に近い逆V字。残りの「٠」「٥」のうち「0=٥」は引っかけで正しくは「0=٠」。残りが「5=٥」。
……涙ぐましいでしょ?(笑)でも視点を変えれば、外国人が日本語を学ぶ時、見慣れない文字を覚えるのにいかに苦労するかが身に染みて分かります。日本語は文字数を考えればもっともっと大変ですからね。
そして、通常アラビア語の単語や文は右から左に読み書きしますが、
【2ケタ以上の数字表記は、左から右に、大きい位の数字を書く!】
という決まりがあります。ブログの最初の記事でアラビア語の「右→左」表記に唯一例外があると書きましたが、この事なのです。例として下のようになります。

١٠ → 10
٧٨ → 78
١٠٠ → 100
٦٦٩ → 669
٢٠١٣ → 2013
また、文章の中に入れるとこんな感じです。
.فِي مَحْفَظَتِي ١٢٣٤٥ يِنٍّ
(意味)私の財布には12345円入っています。ここでは読み方とラテン字表記、文法説明は省きます。
アラビア語なので文章全体の読みは右→左ですが、数字の部分(太字・下線部)は大きい位から左→右となっているのが分かりますね?
めんどくさい感じはしますが、実はアラビア語の数字の読みは、一の位を先に読んだ後に十の位を読みます。だからそれほど苦ではないのかも…?
と思いきや、100以上になると数の大きな位から読む決まりなので、やっぱりめんどくさい…んです。詳しくは後々の数詞を扱う記事にて。
ネイティブがどういう感覚で身につけたのか気になるところではありますが、数字の数え方や捉え方は言語・地域文化によって顕著に違う個性の出る所で、面倒と裏返しの魅力でもありますね。
ちなみに、私たちが普段目にする『0123456789』は、私たちはアラビア数字と言ってますが、
アラビア語圏では本来インド発祥であることから「ヒンディー数字(インド数字)」と呼んでいます。
ただ私の印象では、テレビ等の現地メディアは『0123456789』を普通に使っているように見受けられます。上の写真のような「アラビア語数字」を見た事がありません。やはり0がピリオドとほぼ一緒だから使いづらいのかもしれません。5も「ه」(ハー:h)とほぼ同じ形ですし。
(新聞などの活字メディアなどでは健在です。)
最後になりましたが、ざっくりと数字の読み方(ラテン字表記。一部アラビア文字表記)を列挙しておきます。本当は数字にも男性形・女性形があり、格変化を起こす一部の数字があり、数字の大きさによって後に続く名詞の数・格がコロコロ変わったり……もう、聞いてるだけで超めんどくさいでしょう?(笑)教科書の最後に置かれるわけですよ。
ここに書くのは基本となる男性形・主格です。詳しくは既習となる来年以降に書きますけど、とりあえず必要だったらこのレベルで間に合わせてください。(3~10,29,100の語尾のtunはター・マルブータ(ة)なので、実際の会話においてはほとんど発音されません)
0:Sifrun(صِفْرٌ)
1:aHadun(أَحَدٌ)/wāHidun(وَاحِدٌ)
2:ithnāni(اِثْنَانِ)
3:thalāthatun(ثَلَاثَةٌ)
4:arba‘atun(أَرْبَعَةٌ)
5:khamsatun(خَمْسَةٌ)
6:sittatun(سِتَّةٌ)
7:sab‘atun(سَبْعَةٌ)
8:thamāniyatun(ثَمَانِيَةٌ)
9:tis‘atun(تِسْعَةٌ)
10:‘asharatun(عَشَرَةٌ)
11:aHada‘ashara(أَحَدَ عَشَرَ)
12:ithnā‘ashara
13:thalāthata‘ashara
14:arba‘ata‘ashara
20:‘ishrūna(عِشْرُونَ)
21:aHadun wa‘ishrūna
29:tis‘atun wa‘ishrūna
30:thalāthūna(ثَلَاثُونَ)
40:arba‘ūna
50:khamsūna
60:sittūna
70:sab‘ūna
80:thamānūna
90:tis‘ūna
100:mi'atun(مِئَةٌ)
200:mi'atāni(مِئَتَانِ)
300:thalāthu mi'atin(ثَلَاثُ مِئَةٍ)
1000:alfun(أَلْفٌ)
2000:alfāni(أَلْفَانِ)
3000:thalāthatu ālāfin
10000:‘asharatu ālāfin
11000:aHada‘ashara alfan
100000:mi'atu alfin
次回は形容詞に入ります。それではまた。