私にとって運命の出会いはいくつかありました。

 

最初の出会いは今の妻です。

 

その次はもうすぐ定年退職となる教授です。

 

そしてそれと時を同じくして出会ったのが、医者になって最初の指導医です。

 

 

その先生は当時医者として7年目で大学院を卒業したばかりでした。

 

もともと体育会系の性格であり、この世界の礼節について、ハッキリ言って今の時代にはそぐわないとは思いますが、そこから徹底的にたたき込まれました。

 

そしてこれも今の時代にはそぐわないが、日付が変わるまで病院にいて、臨床に研究に凄まじい仕事ぶりでした。

 

あの時から、あの人は本当にスーパーマンだったのだと思います。

 

私は医者になってもうすぐ19年目になるのですが、あの時の教えはこの世界で生きていく上で、本当に基礎になっています。

 

 

その先生は、当時まだ無名でした。

 

しかし、すでに原著論文を1本だし、症例報告も何本か書いていました。

 

その後1本論文を書いた後に留学。

 

帰国後にその業績が一流雑誌で報告されました。

 

それ以外にも、学会や研究会発表、もの凄い数を熟しており、さらには診療科内においても重要な仕事を数多く熟し、本当に超人的な活躍をしておりました。

 

そして、今から10年前に、私達の世界では誰もが知る非常に素晴らしい研究成果を発表しました。

 

その後の活躍は留まることを知らず。

 

私のブログには同業者が沢山見ていると思いますが、この内容から、同業者であれば誰のことを言っているか分かると思います。

 

今や日本のリウマチ膠原病の世界において、先生は40代後半の先生の中ではトップランナーの一人であることに異論はないと思います。

 

私はその背中をずっと追ってきました。

 

私もそれなりに努力家だと思っていましたが、先生の努力は後にも先にも誰にも真似出来ない超人的なものです。

 

私には絶対に出来ません。

 

本物の超人に出会えたことは、まさに奇跡だったと思います。

 

 

ただ、一つ私がこの運命の出会いを活かすことが出来たポイントがあります。

 

それは、「この先生の言うことは全部正しいんだと思って全て従おう」と思ったことです。

 

これについて、今の時代からは反する考え方かもしれません。

 

ただ、研修医というのは完全な初学者です。

 

右も左も分からない状態であれば、目の前の人を信じることが一番の近道だと思います。

 

実はちょっとオチがあるのですが、これだけ先生のことを称えておきながら、今は価値観のズレが沢山出てきています。

 

キャリアを積めればそれでいいのです。

 

ただ、最初は信じた方がいいです。

 

問題は、最初の師匠がとんでもなく間違った指導をしていた場合です。

 

そのリスクはありますが、それは医者として生きていくことが出来れば、あの時の指導が間違っていたんだと気づくものです。

 

それは私も研修医の時に多く経験しましたが、とりあえず生きていくことが出来れば、真理に気づくものです。

 

私は幸運でしたが、やはりまずは目の前の師匠を信じることが一番だと思います。